< 指向性


〜4、「カタチ」


人間は、現実の肉体を持った生きた存在である以上、
他者と区別される境界線、目に見える姿カタチの、
特徴的な様式や規則、そして、特有の物理的特徴や
形式を持っている。そうである以上、そうした現実のカタチ
といったものが、現実の中で意味と必然性を持たざるを得ない。

カタチが現実の中で生き続ける以上、カタチはその意味と
理由を持たざるを得ないのである。その存在の仕方といったものが、
肉体の現実のカタチによって、条件づけられ、制約されるのである。
そして、そのこと自体が、肉体が生きていく上での方向性であり、
指向性なのである。そうせざるを得ないのである。そうしてのみ、
自己が生存し存続しうるのである。

それは、外からの圧力によって、そうなるしかないものであり、
また、自分自身の能力からいっても、そうするしかないものである。
それ以外に生きて行く方法がないのである。それは、本人にとって
見れば、、偶然の気まぐれなのかも知れないが、これを、
長い時間の流れの中で、外からながめて見ると、
現実の肉体の制約から方向づけられた、宿命的なものである。
必然と言うしかないものである。


戻る。               続く。