「風土」


〜15、必要。


そして、それがまた、文化の型として表現され、それ特有の特徴、それらに底通する一貫した特質や指向性として理解されてくるのである。そしてまたそれが、sの民族固有の必然的な原理とでも言えるもので、そうなるしかなかった、そうする以外に方法がなく、それ以外にあり得なかったという、避けることのできない必然性なのである。

もちろん、それ以外の様々な方法や、やり方も当然あったはずで、実際、現実にそうした様々なことがなされたはずなのであるが、結局、最後まで残り、確固とした支配的な「型」となったのは、実のところ今あるこの型だけなのである。こうした過程そのもの、そうした要因や方向性を定めて来たのが民族の内的必然性といったものなのである。そしてまた、その方向を制約し規定してきた条件となったのが、日本列島という自然環境であり、地政学的条件だったのである。

それは、この環境でしか起こり得ず、こうした自然条件と一体のものなのであって、こうした現実の条件といったものこそが、すべての出来事の背景でもあり、情景ともなっているのである。そしてまさにその上で私たちの暮らしが営まれてきたのである。それはすなわち、私たちの生きる「舞台そのもの」なのである。  

もどる。              つづく。