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2、コトバ以前。



コミュニケーションというのが、コトバ以前の、このようなお互いの身振り素振り、その場の「空気」や目の動き、気配いなどによって誰にでもすぐにわかってしまうのである。日本人はそれを「空気を読む」などと言っている。

それは誠にイヤラシく、自分たちだけで群れて媚びて迎合して仲間化して、そうやって、そうでない者たちを作り出して行くのである。他人に対する差別と妬みが「和の精神」のもう一つの根源なのである。しかし、いまはそれを無視して話を進める。

コミュニケーションというのが、このような「場の空気」でなされるとしたら、服装などによる自己主張などまったく無意味なのであって、わずらわしいだけで、世間知らずのバカがすることのように思えてくるのである。つまり、「色」による自己主張など不要で、それどころか集団の和と空気を乱すだけの「ヨソ者」扱いにされてしまうのである。

だから、派手な色は日本では好まれないのである。赤と白の組み合わせが正にそうした、派手で極端な色の組み合わせなのである。しかしまた、それだけで十分なのである。シンプルなこの「赤と白」の組み合わせだけで、すべてが表現し尽くされてしまうのである。

そうやってそれ以外の、わずらわしく、まぎらわしい派手な色は忌み嫌われるのである。「赤と白」の組み合わせだけが非常にわかりやすく、簡素で印象的で、そしてこれ以上に、目立つ簡略化された色の組み合わせは他にない、そんなシンプルで印象的、そして象徴的な色なのである。

戻る。            続く。

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