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2、心の中。



見えているようで、実際には何も見えていない。すぐそこに届きそうに見えながら、けっして届かない。そこにあるように見えながら、実際には何もなく、それでいて、いつでも、どこでも、どんなときにでも、自分のまわりで漂っていて、すぐ近くにあるように思えてくるのである。そんな世界。そんな心証、こころの情景。これはいったい何なのだろう。

僕はいったい何を言っているのだろう?自分でも、自分がわからなくなる。僕は何で、僕はいったい誰なのか。ふと、わからなくなるのである。これはたぶん、遠くのかすむ風景を見ながら、実は、自分自身の心のなかを見ているのである。現実の世界にはない、とらえどころのない、現実の世界に存在しない観念だけの、自分だけの世界を見ているのである。

戻る。              続く。

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