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13、領域。



それは、自分自身の感覚の感じ方なのであるが、それが何なのか、自分でもわからないのである。もともと、あらかじめ想定され、定められ、仕組まれていたプログラムに反して、それに逆らって、あるいは無視して、直接に僕の精神に問いかけてくるのである。入り込んで来て圧迫し、いたたまれなくなって、言い知れない情感となって、自分の存在の「理由」を問うのである。

自分が誰かわからなくなるのである。
もしかすると、これが自分の正体なのである。自分で自分を問い始めている。自分で自分を見つめている。このような自分とは、正真正銘の自分のことではないだろうか。自分の精神というのが、めざめて、自立して、外の現実とのあいだに、明瞭な境界線を持つに至ったのである。そうして自己の、「精神の領域」を自覚するに至ったのである。


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