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3、閉じている。



僕にはそうするしかなく、それ以外の生き方というのが閉ざされていて、あるいはそれだけが、真実の本当の自分自身のように思えたのである。だから僕としてはそうするしかなく、また、ずっとそうであり続けたのである。

それは自己の、閉じて沈んだ内閉的な世界であって、そこから外の世界を見ているのである。底無しの海の底から、あるいは果てしない空のかなたから自分を見ていたのである。だから、いつもどこかで自分で自分をのぞき込んでいて、協調性に欠け、集団プレイというのがダメで、いつも自分と他人とのあいだに見えない壁があったのである。

溶けこめず、なじめず、どこか他人と違う自分というのを意識してしまうのである。だからやはり「水色」なのである。どこかさめていて、冷たいところがあって、けっして届くということがない。それでも、それがわかっていてなお、惹きつけられ、吸い込まれてゆくのである。そうした果てしのない、何かをあおぎ見るような、そんな色なのである。

戻る。            続く。


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