index< 日誌 < aqまやかし < 18-345「憂欝のタネ」p4- |
なにもかもが満たされ、用意され、マニュアル化され、計画され尽くされ、理想化された最善の社会というのは、やはりどこか不自然で、自分にとってもっとも大切なものが失われているように思えてくる。 自分と社会との間の境界線が破壊されて、消えて行って、自分が偽りの人間、ロボットのように思えてくる。だから反面、閉じこもって自分を省り見たり、内面的にもなるし、沈んで潜って引きこもってしまう。 もちろん、それでも、満たされ理想化された社会が良いという人が大多数ではないだろうか。しかしまた、それが性に合わないという人もいるのである。そうしたことが人間社会なのである。 どちらが善いか悪いかという問題ではなくて、またそれが問題なのではなくて、実は、それが現実の社会なのだということなのである。 |
index < 日誌 < aqまやかし < 18-345「憂欝のタネ」p4-