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2、変換。


「似たもの」というのは、そうした人間の肉体が持つ傾向や特性のことである。人間という種が共通に持つ感じ方のことである。そして、その範囲の中で、そうした経験や記憶が肉体のカタチとなった、自己の身体が感じる範囲内でしか、なにも理解し得ず、知ることができず、何かを感じることも出来ないということである。

そしてこの知る・感じるというのは、結局、自分の中にある何かと、すなわち、経験や記憶と関連づけているのである。すなわち、似たもの、共通するものとして、比較・分類・整理し、仕分けて、カテゴリー化・抽象化しているのである。

「似たもの」というのは、このような、人間がなにかを感じることの出来る限界と範囲を定めたものであって、そのようにして人間は、なにかを知り理解もし、感じるということが出来るのである。

そして、それをもとにして、あるいはそれを何かの印象として、これら様々な印象をつなぎ合わせて、関連付けて、連想もし、そして抽象化し、象徴化してゆくのである。

こうした印象の連想といったものが、なにかに似ているものとして、それを基にして組立てられたものなのである。また、何かに似ているといっても、それはあくまでもその場その時の偶然と錯覚に基づくものなのであるが、しかし実は、そうした果てしのないくり返しが抽象化なのであって、主観から客観への変化の過程なのである。

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