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4、部外者。



日本にとって世界とはユーラシア大陸のことであり、そして日本とは、世界のはずれの行き止まり(朝鮮半島)の、そのまた海をへだてた離れ島(日本)であって、そこから先は何もない。

だからこそ日本はずっと平和であり続けたのである。侵略する側には何のメリットも無かったのである。だからこそ日本は、日本であり続けたのである。世界の部外者、第三者として。海という物理的障壁の外の世界の住人として、傍観し続けることができたのである。

大陸は自分たちにとっては他者の世界。日本人からすると、どこかよその外の世界の出来事であり続けたのである。しかしそれは同時に、イヤでも自分自身を意識し省みる場面でもあり続けたのである。外の世界に反映してうつしだされる自分自身の、心の中の世界を見ていたのである。それはいわば、自分自身の鏡(カガミ)の中の世界でもあったのである。


 戻る。             続く。

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