index < 日誌 v. 夢の中。18-74「自意識」


 
5、自己完結。



自分と他人との区別が限りなくあいまいで、透明に近いものになっている。本来、人格の内部にあるはずの自己意識というのが見当たらないのである。どこを探しても、その痕跡すらも残っていないように思えてならないのである。

もともとの始めから自己意識といったものがないのだろうか?もともとの精神の領域の中で、自己意識が存在する余地が、居場所そのものがなかったのだろうか。あるいは、その本来の精神の仕組み自体が、それを必要としなかったのかも知れない。要するに「自分の考え」というのを持たないのである。そうした「入れ物」が心の中にないのである。どこを探しても見つからないのである。

自分と他人との間にあるはずのケジメ、境界線、区別といったものが限りなく不明瞭なのである。ぼんやりしていてボヤけたままなのである。だから何をやっても聞いても、いつも何か一番肝心なところがヌケていてハッキリしないのである。いつも、他人に同意を求めるだけで、自分で判断して決断するといったことがないのである。


戻る。               続く。

index < 日誌 v. 夢の中。18-74「自意識」