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5、ルネッサンス。


しかしまた、この合理性という観念でもって、20世紀を全力で走ってきたのである。理性とそれに基づく合理性でもって社会全体が、画一化・均質化され、効率化し合理化されてきたのである。そして、それを意識的に自覚し、それでもって周りを引き寄せて組織化した者が、社会的な地位と富を手に入れてきたのである。

そして、それへと群がり迎合し従って行って、そしてそれが自分の自意識となり、ステータス(身分)になり、そしてまた、そうでない者を「踏み台」にして、蔑み排除することによって、自らの居場所といったものを保全してきたのである。

民族主義、帝国主義、共産主義がそうであったし、そして戦後の福祉国家がそうである。しかし、そうしたことも21世紀の今日から見ると、やはり疑いを抱かざるを得なくなっているのである。

自意識というのが、このような画一化・均質化された世界から、何か他のもの、外の世界を求めて動き出しているのである。それはちょうど近代初期のルネッサンスの時代とよく似てもいるし、重なってもいる。何か時代というのが、それまでとは異質な世界に迷い込んでいるのである。

そうした自分を見ているし、感じてもいるし、意識もしている。そしてまた、これが自分の自意識、アイデンティティーになっているのである。


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