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7、未知。


それは自分が知らない世界、経験したことも、聞いたこともない、そうした自分とは別の世界の出来事のように思えてくるのである。そして確かに、その通りなのかも知れないのである。

そしてこの、「そうかも知れない」というただそれだけで、それは自分にとって見れば、「おどろく」というのに十分すぎる衝撃的な出来事なのである。自分の中で、自分でない者を見ているのである。だから底なしの恐怖に、恐れおののいているのである。

だからまたそれが、他のいかなる感情をもってしても表現できず、表現し得ず、知ることもできず、共通点も相違点も持たない、そうしたいわゆる「感情」とは別の心理状態とならざるを得ないのである。もしかすると、それはもはや感情とは言えないものなのかも知れないのである。


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