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1、象徴。


眠い。眠いのに眠れない。疲れている。そうして目を開けたまま夢を見ている。なにかの影が見える。真昼の夢、マボロシ、カゲロウの中の世界である・・・。

そうだ。それは職場で見る彼女がそうだったのだ。いつも、どうしても彼女の事が気になって仕方がない。もう60歳近くのオバサンなのに、心の中は小学生の女の子のままである。単純で正直で素直で純真そのものだ。

ぼくは、どうしようもなくそれへと引き込まれ、吸い込まれて行く。彼女・K夫人の存在が、ぼくを夢の世界へといざなって行く。それはあってはならないし、あろうはずもなく、あり得ないことなのである。そうしたことが、ぼくをして際限なく夢の世界へと引きずり込んで行く。

知らぬ間に、自分でも意識することなく、無意識のままで、いつの間にか目を開いたままで夢を見ている。何もかもがk夫人につながり、結びつき、それへと示唆し暗示するものとして見えてくる。これは何かの象徴なのだ。


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