――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)concept(概念)日誌2010-1225-a  市


ドナテッロのダビデ、その@。 
映し出された肉体表面.。


それにしてもこの生なましさは、いったい何なのだ。
こんなものを暗闇の中で見たら、それこそ腰を抜かしそうだ。
恐怖のあまり心臓が止まりかねない。
あまりにリアルだ。
肉体表面を照らし出す光の反射が、
うごめき移ろい変化し、閃きながらのたうち回っている。
光そのものが、まるで生きもののようだ。

そしてそれ以上に、セクシーだ。
あまりになまめかしくて、妖(あや)しいくらいだ。
ペニスが付いているので男に見えるが、
それは、まやかしというものだ。
はたして、このダビデ像に性別の意味などあるのだろうか。
男でも女でもなくて、それとは何か別のものだ。
別のものを描いている。

ではいったい何なのだ?
ドナテッロは、いったい何を描いたのだろう。
それは、幻(まぼろし)というものだ。
心の暗闇の中で現れては消えてゆく、
得体の知れない、ともし火のようなものだ。





 戻る。                  続く。

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