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5、自分にしかないもの。


このようにして変異を、遺伝とその適応の結果というように説明されるが、実は、その境界線は限りなく曖昧なのであって、要するに、遺伝に基づく潜在的な可能性といったものが無ければ、適応は起こらないのである。起こりようがないのである。また、適応もその元になる遺伝情報がなければ起こりようがないのである。

そして遺伝自体もまた、無限にくり返されてきた適応の結果なのである。最初、生理的な馴れに過ぎなかったものが、数百万年の間をくり返されることによって、身体のすがたカタチまでも変えてしまっているのである。

そしてまた、これが自己の同一性なのである。このようにしか成れず、そしてまた、これからもそのようにしか成らないのである。自分自身というのがもともとそのように出来ていて、それ以外のものになれないのである。



戻る。                     続く。


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