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~2 花びら。

そうだ。たしかに彼女の中で何かが変わった。まるで別人のように僕には見える。コトバづかいやそのしぐさ(仕草)、そして朝の挨拶や、業務上の連絡事項等々・・・。

彼女は、いつだってそこに居るだけで、ただそれだけで優しく美しく、そして素晴らしい魅力に満ちみちていた。光かがやき、まぶしくて、いろんなキレイな色が、花びらやシャボン玉のように彼女を取り囲み、包んでいて、優しく僕たちをいざない誘っていて、そして明るく照らしだしていた。

彼女は以前と同じく、思いやりと気づかいに満ちていて、そしてそれが僕たちにも伝わって来る。イヤ、以前より増して僕に対して優しく接してくれる。それがぼくにはよくわかるのである。しかし、僕には彼女のそうしたことのすべてが、なにもかもが、まやかしの作り物のように見えてしまうのである。

偽(イツワリ)りの表面を取り繕うだけの、僕を避けるための形式だけの外向辞令のように見えてくるのである。まるで、自分の意志も感情も消去した機械仕掛けの自動販売機のように見えてしまうのである。実際その通りで、彼女は僕を避けているのだ。憎いとか嫌いとかいう感情以前のところで僕を避けている。

 戻る。                       続く。

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