index< 日誌 < c信じるもの< 19-82「自分たち\-b」p6-


6、時代。


人間は、「囲いの中」の世界を生きているのであって、それが、自分が生きて行く上での制約であり、限界であり、境い目になっているのである。常識であり、秩序であり、戒めなのである。それは誰かが自分を守ってくれる安全圏なのである。

そしてこの誰かとは、自分が属する主権のことなのである。民族や国家などという公権力のことなのである。この主権を離れたところに、人間としての権利を誰も認めようとはしないのである。それはワケのわからない、得体の知れない人間でしかないのである。

そして人間というのが、現実という時間と空間の世界を生きていて、自分というものの身体がその場所を必要とする以上、それは、どこかの場所と時間の世界を占めざるを得ず、そしてそれに条件づけられ、方向づけられ、規定されざるを得ないのである。

それは、どうしても避けることの出来ない必然なのである。そして、これが人間にとっての現実の世界なのである。あるいはまた、これを時代などと言っているのである。人間が時代を越えることも、時代を離れて生きて行くことが出来ないというのは、このことなのである。時代とは、このような現実の世界のことを指しているのである。

戻る。                   履歴へ

index < 日誌 index< 日誌 < c信じるもの19-82「自分たち\-b」p6-

l