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11、同一性。


自己の同一性としての、そうしたことのすべては、それを全体として見れば同一のものであって、ただそれを違う場所から、異なる歴史的瞬間を見ているのに過ぎないのである。たとえそれが全然別のもののように見えても、やはりそれは同一のものなのである。同じものとしか言いようがないものなのである。

民族や文明の世界を生きる人間の習慣や生活スタイル、気質や気性がそうなのであって、その肉体の中を流れる生理と情緒のリズムがそうなのであり、その思考のパターンがそうなのである。そしてまた、そこから生まれてきたところの信仰や政治のシステムがそうなのである。

それらは同じものを、ただ異なる動機と視点の違うところから見ているのに過ぎないのである。だからそれは、本来同じものなのであって、変わりようのない本来的に同じものなのである。そしてこの「変わらない」というのが、自分が自分であることの証明になっているのである。



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