ルネサンスへ2013-0921-3(  市:・Image



夢、〜Bマブしい夢。





彼女のカラダは、少し横に向き
首が心もち傾きながら、こちらを向いている。
何か言いたげだが、
口(くち)は何も言わずに微笑(ほほえ)んでいる。
それで充分なのだ。口以上に、
目が話をしている。お見通しなのだ。
なにもかもが、そうした表情なのだ。

事実、たしかに男の顔の表情がそれを語っている。
口でしゃべる以前に、
何もかも、お互いお見通しなのだ。
ただお互いの、世間上の立場から、
何も、言いだすことが出来ないでいるだけなのだ。
それなのに、それ以前に、
お互いが何もかも知っているのだ。
僕には、男の表情がそう見えてならない。

背景の通り過ぎてゆく、緑の木立はどうだろう。
ピカピカの上品そうなオープンカーも、
それに服や帽子も。
たしかに、オシャレではあるが、
とってもシンプルなのだ。

おたがいといういのが、
君と僕の間というのが、
あれこれと着飾る必要がなかったのだ。
車は黒、服はほとんどベージュかグレーのみ。
たったそれだけ。

たしかにそうなのだ。
そんなものなど、出来れば無いほうが良いのだ。
お互いを、ただ見えなくするだけだから。
だから、それこそがとってもオシャレなのだ。

それらが一段と、二人を際立たせている。
まるで太陽のように。
それほどに、彼女のほほ笑みはマブしい。
彼女のこの、
透明な精神が映し出した情景こそが、
まさに、この映像の世界なのである。

 戻る。                        続く。


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